「鳶が鷹を産む」という言葉がある。
しかし分類上は鳶も「タカ目タカ科」に属するれっきとした鷹の一種なのだから、鳶が「鳶という名の鷹」を産んでも全然おかしくはない。
理屈上はおかしくないのだが、そうは言っても、例えばハヤブサの食べ残しの餌を食ったり、観光地などでは人間の弁当をかっさらって食ったりとか、「お前、鷹としてのプライドがないんかいっ!!」と言いたくなるような行動が目に付くのも事実。
そんな生態をいつも見てるせいか、都会の鳶は何だか精悍さを欠いた「マヌケ顔」に見える。
その点、四国の山中で、ケガをして保護されたこの鳶の幼鳥は、コロッケとか肉団子とか、観光客からかっぱらった弁当のおかずで育った都会の鳶の幼鳥とは顔つきが違う。
いかにも鷹の仲間らしい、凜凜しい顔つきである。